写真・文/岩瀬孝文 photo & Text by Yoshifumi Iwase
『どこまでも飛んでいきたい』
鴨田鮎華(ブレイズスキーチーム)
鴨田大綺(ブレイズスキーチーム)
新しいチーム名のブレイズスキーチームは、もともとノルディックスキーで有名な士別市の朝日町にあるイトイ産業スキージャンプチーム。
それが今季からブレイズとそのチーム名を変更した。
なぜかと言えば、このところ日の出の勢いにある硬式野球の独立リーグHBL(北海道ベースボールリーグ)の強豪、士別サムライブレイズと同系列にあたるからだ。
そういえば発足記者会見の際には、その野球ユニフォームを着用して会場でとびっきりの笑顔をふりまいた鴨田鮎華選手だった。
「いまは、その野球のブレイズチームと連携して、基礎トレーニングを野球選手達と一緒に行ない、ひとしきり刺激をもらいながら身体づくりをしていますね。士別ふどう球場での試合を観戦に行って良い刺激を受けています」
中学生の頃から将来を嘱望され、社会人選手として地元企業のイトイ産業ITOIに入社、道北をベースにジャンプを続けている。
「まだ、踏み切りのタイミングがしっくりとこなくて、それを改善していかなければと練習しています。もちろん弟も気になりますよ。でも、いつも緊張しすぎなので、まったく」
そう言った途端に姉としての表情を見せた。
ジャンプにおいて先輩にあたるのもそうだが、下川商を卒業して2年目の弟のジャンプがどうにも気になってしょうがない。
「もっと、気を楽にして飛べばいいのにね」
そして、自分の今シーズンの目標は3位表彰台に入ることと明言した。
膝のケガから立ち直り、ルールの変更などにより再度、一から出直し。そこからテクニックを作り上げての目標である。
長身イケメンの鴨田大綺(ともき)選手は、ダイナミックなジャンプが魅力。あとはそこから良い風を受けて飛距離を伸ばしていくこと。
「なんですかね、力が入ってしまって、練習で出来ていることができないのです。ジャンプ一連の流れに集中することが大事なのはわかるのですが、力んでしまうのです。力で飛ぼうとしてしまったバラバラになって、もどかしいです。これからまずは30番に入って全日本選手権に出場したいのです」
そして「社員の皆さんの応援はかなり励みになります」と語り、そこでも頑張ろうと力が入って堂々めぐりに陥りということはなく、その皆さんの応援パワーらを得て、自分が成長していくとものすごく良くなっていくことも理解している。
「うれしいですね、なおさら頑張らないといけないと、力んで、あ、それはよくないですね(笑)それと、お姉ちゃんが頑張っているので自分もやらなければ!」
なかなか素直で微笑ましい大綺選手だ。
ふたり、とても仲が良く、キャビン近くで励まし合うシーンも見られる。それで、またジャンプ台は、ほのぼのとした心地良い空気感に包まれる。
姉と弟が揃っての上位入賞と表彰台、それこそ新進気鋭ブレイズスキーチームの今シーズン最大の目標なのである。
鴨田鮎華(左)と、鴨田大綺(右)
会社関係の方々と記念撮影をする鴨田姉弟
2023/07/30(日):名寄での大会出場、鴨田姉弟のジャンプ