『緑の若大将』池田龍生(慶大→雪印メグミルク)
初夏、緑一杯のフィールドに近隣の子供たちの嬌声が明るさを帯びて、響いていた。
「お久しぶりです」と、そこに颯爽と、さわやかボーイが登場した。
「あ、また身長が高くなったね」
「そうですね180と少しw」
あいかわらずの微笑み返しで、しっかりと寄せてくる。
雪印メグミルク6月の内地イベントは、横浜市西部の小高い山裾、こどもの国園内の東端にある雪印牧場で開催された。そこに精鋭ジャンプチーム選手7名と指導者の面々が集い、始終、にこやかな笑顔のまま、お子さんたちと戯れた。
この牧場、何が美味しいといえば、もちろんソフトクリーム。
その長蛇の列を見て、お客様最優先だからとあきらめかけていると、しばらくして、ひとついただくことができた。おや、これは北海道内よりも濃味が深いかもしれない!
あたりを観ればちょうどジャンプ台ができそうな小高い丘のさらに左奥に乳牛がいるのだ。だから、旨いわけなのだよ。
そんな、たわいない話をしながら、
「もう、身体が仕上がっているようだけど、どのようなトレーニングをしていたの?」
「メグミルクのチーム練習がものすごくて。先輩の皆さんの集中力が素晴らしいのと、オンとオフの切り替えが上手で、とても良い刺激を受けっぱなしです」
何やら嬉しそう、さらにどこかニヒルな表情と軽い微笑みを見せてくれたりする。
北海道蘭越ニセコエリアで育まれた、インターナショナルな気風で、フィンランド国立オリンピックセンターで有名なカヤーニ地方ブオカッティへの北欧留学を選択。ロバニエミでのフィンランド選手権へ出場、白いドリームヤパニ(日本人)として当地で名を馳せた龍生選手。しかも、英語が堪能ときている。
さあ社会人1年目、これからの伸びがとても楽しみになる。
あの北欧留学で得た基礎フィンランドテクニックに、原田雅彦さんと岡部孝信さん、坂野幸夫監督、伊東大貴コーチら指導者から学ぶ技術をミックスさせるべく。
そして、純白ジャンプスーツは札幌大倉山の青空に、素晴らしい余韻とインパクトを残していきそうだ。(岩瀬孝文)
今年3月の宮様大会ラージヒルに出場した際の池田龍生。
2023/03/05(日) 大倉山ジャンプ競技場にて