夏の札幌3連戦の最終戦は意外な結末に
伊藤有希 選手、坂野旭飛 選手、小林陵侑 選手の、本命とも言える選手達が優勝された翌日、同じ台で、ほぼ同じ出場選手という状況でしたので、その3名の連勝を予想されていた方も多かったと思います。
ところが・・・・
女子組:伊藤有希選手、貫禄の大倉山2連勝
この日も、前日と同じ22番ゲートからの1本目。
19番スタート、一昨日の市長杯宮の森で表彰台に上がった岩崎里胡 選手が、好調のまま、100メータージャンプ。
暫定トップに立ちます。
21番スタート、前日は惜しくも表彰台を逃した五十嵐彩佳 選手は、90メーター
暫定2位に。
ラスト23番の伊藤有希 選手、124メーター
で、この日もトップ折り返し。
女子組1本目終了
1位 伊藤有希(土屋ホーム)
2位 岩崎里胡(下川商高2年)
3位 五十嵐彩佳(ガスワン)
4位 久保田真知子(早大2年)
4位 葛西優奈(早大1年)
6位 葛西春香(早大1年)
2本目
同じ22番ゲートからとなり、
3位折り返しのアヤカ選手が、89メーター
暫定1位で表彰台が確定し、とても嬉しそうです。
次の里胡選手は、94メーター
一昨日は3位でしたが、この日は更に上の2位以上を確定。
ラストの有希選手は114.5メーター
有希選手は、大倉山2連勝。
里胡選手は、この3連戦で2度目の表彰台。
アヤカ選手は、過去2戦で惜しくも表彰台を逃していましたが、ここでようやく届いて、良かったですね。
少年組:坂野旭飛選手、夏の札幌3連戦で3連勝
1本目
12番ゲートからとなり、
24番スタートの森野幹登 選手が、99.5メーター
この時点の暫定トップに立ちます。
30番スタート、前日2位の中村正幹 選手、104メーター
カント選手に代わって、暫定トップ。
56番スタート、昨日まで2連勝の坂野旭飛 選手は、122メーター
断然トップに立ち、少年組の1本目は、
1位アサヒ選手、
2位マサキ選手、
3位カント選手となりました。
そして
2本目
この日の1本目は5位だった西田蓮太郎 選手が、95.5メーター
後に飛んだ2人を抜いて、表彰台へ。
2位折り返しのマサキ選手、91.5メーター
2位以上を確定させて、アサヒ選手のジャンプを待ちます。
ラストのアサヒ選手は、106メーター
この日も2本ともトップの完勝。
アサヒ選手は、夏の札幌3連戦全てでの少年組優勝。
マサキ選手は、前日の3位から順位を上げて2位。
蓮太郎選手は、3試合続けての表彰台です。
成年組:二階堂蓮選手、五輪金メダリストをも負かしての優勝劇!
1本目
12番ゲートからとなり、
53番スタートの内藤智文 選手、120メーター
飛び終えた時点で暫定トップに立ちます。
次の54番スタート、竹花大松 選手、125メーター
トモフミ選手を上回って、暫定1位に。
58番スタートの竹内択 選手が、122.5メーター
ダイマツ選手に次ぐ暫定2位に。
その後、59番スタートの佐藤幸椰 選手の時にゲートが2段下がって10番ゲートとなり、
60番スタートの渡部弘晃 選手は、115メーター
ダイマツ選手、タク選手のポイントに届かず、暫定3位。
そして、一昨日、昨日と2連勝で、この日も当然のように優勝候補だった小林陵侑 選手ですが、
他選手達と遜色無い条件だったにも関わらず、K点手前の116メーターに着地。
この時点の3位にランク。
陵侑選手がトップに立てなかったことで、会場全体に戸惑いの空気が流れている中、同じゲートから飛んだ二階堂蓮 選手が、観衆の度肝を抜く131メーターのスーパージャンプ!。
思わず背中から倒れこむほどの満足ジャンプで、2位以下に20点以上の大差を付けた断然トップとなり、凄く嬉しそうな表情を見せてくれました。
男子1本目終了
1位 二階堂蓮(日本ビール)
2位 竹花大松(土屋ホーム)
3位 坂野旭飛(下川商高2年) ※少年組1位
4位 竹内択(team taku) ※成年組3位
5位 小林陵侑(土屋ホーム) ※成年組4位
6位 渡部弘晃(東京美装) ※成年組5位
※成年組6位は、内藤智文(米沢市SC)
五輪金メダリストの陵侑選手が、国内戦でトップから26.4pも離され、少年組トップにも及ばないポイントでの成年組4位での折り返し。
この日の優勝が絶望的となったことを表示する電光掲示板を見て、一様に「信じられない」という表情の観衆。
そんな中で、私はいつものように、男子1本目終了時点の順位が分かる情報をInstagramに投稿したところ、
「どうせまた陵侑がトップなんでしょ?」
って思いながら見て、びっくりされた方々から、
「一体、何が有ったの?」
「間違いじゃないの?」
「陵侑転倒?」
等々のDMやメールが私に何通か届くほど、会場に来られなかったジャンプファンにも衝撃が走ったようでした。
そして
2本目
最初から10番ゲートとなり、
6位で折り返した智文選手が、110メーター
まずは6位以上を確定。
次のヒロアキ選手。127メーターの大満足ジャンプ。
暫定トップとなり、リーダーボードで残り4人を待ちます。
そして陵侑選手。
2本目はK点に届く124.5メーターを飛びましたが、
直前に飛んだヒロアキ選手のポイントに届かず暫定2位。
この日の優勝は無くなりました。
この後、私の前の壁によじ登り、手を伸ばして撮影を始めた方が居らっしゃった影響で、動画撮影に苦慮しましたが、なんとか1本目3位のタク選手のジャンプ動画も撮れて、108メーター
この時点の暫定4位で、入賞圏内に。
2位折り返しのダイマツ選手は、114メーター
ヒロアキ選手と陵侑選手に及ばず、暫定3位。
そして、夏の大倉山ラストジャンパーとなった蓮選手。
110メーター前後でも勝てる状況の中で飛んで、118メーター
見事に、逃げ切り優勝達成!。
4位の大松選手と2位のヒロアキ選手に優しく祝福された後で、嬉しそうにガッツポーズを見せてくれました。
成年組最終
成年組 公式成績表
一昨日の宮の森で陵侑選手に次ぐ2位、昨日の大倉山で陵侑選手&佐藤幸椰選手に次ぐ3位と、昨シーズンまでの遠征組と遜色ない成績を残していた蓮選手が、3連戦の最後で遂に、陵侑選手をも負かしての優勝。
昨日の大倉山で蓮選手と同点の3位だったヒロアキ選手も、ここで陵侑選手を上回っての2位。
3連勝して当たり前とも思われていた陵侑選手は、2本目で順位を上げて表彰台こそ確保しましたが、ほぼ同じ条件で飛んだ蓮選手に20ポイント近くも離された完敗で、こういう日も有るということなのでしょう。
なお、この試合でテストジャンプを担ってくれていたのが、名寄中1年の菊池楼紗 選手です。
大倉山を初めて飛んでからまだ3日目でしたが、立派に任務を果たしてくれてました。
表彰式 女子組
1位 伊藤有希 選手(土屋ホーム)
2位 岩崎里胡 選手(下川商高2年)
3位 五十嵐彩佳 選手(ガスワン)
表彰式 少年組
1位 坂野旭飛 選手(下川商高2年)
2位 中村正幹 選手(東海大札幌高3年)
3位 西田蓮太郎 選手(下川商高1年)
4位 森野幹登 選手(札幌日大高3年)
5位 山川伶欧 選手(新井高3年)
6位 森恢晟 選手(東海大札幌高2年)
表彰式 成年組
1位 二階堂蓮 選手(日本ビール)
2位 渡部弘晃 選手(東京美装)
3位 小林陵侑 選手(土屋ホーム)
4位 竹花大松 選手(土屋ホーム)
5位 内藤智文 選手(米沢市SC)
6位 竹内択 選手(team taku)
丸山希 選手の怪我明け復活ジャンプ&優勝で幕を開けた札幌3連戦は、有希選手の温かい祝福シーンとその後の2連勝、アサヒ選手の少年組3連勝、陵侑選手の五輪後初国内戦で2連勝など、数々の名場面を残してくれた後で、蓮選手の劇的な優勝で終わりました。
暑い中、大会を運営して頂けた役員の方々や、戦ってくれた選手達に、心から御礼を申し上げます。
下記YouTubeチャンネルに、他選手のジャンプ動画も投稿しておりますので、宜しければそちらも併せてご視聴ください。
チャレンジカップ2022 2022/08/07(日) 大倉山ジャンプ競技場 – YouTube